ラ・コロナ

ハバナシガーとして古いブランド、「La Corona」は1845年からの歴史を持つ老舗ブランド。
当時のオーナーはスペイン人のペルフェクト・ロペス。現在はタバカレラ(米国の巨大タバコ企業)が所有し、
リングはシンプルなホワイトブラックのモノトーンで、剣の上部に冠を持つ、正統派を感じさせる品格あるデザインです。

キューバ以外では東欧やブラジルなどに供給されていますが、あまりアジアではお目にかけれないブランドでもあります。
種類としては比較的大振りなシガーで占めており、「ラ・コロナ コロナ」などは有名なアイテムの一つ。
故大藪春彦氏の小説にも時折登場する葉巻。なかなかハードボイルドなシガーです。

葉巻分解 “ラッパー”

葉巻の全体イメージをつかさどる重要な部分といってもいいでしょう。
実はそれ自体にはさほど重要な要素はありません。香りを作り出すわけでもブレンドに大きく影響するわけでもなく、最終的に全体がくずれないように包める部分です。

ただビジュアルのインパクトは重要になります。例えば色味や光沢具合などです。従って結果的に同じ葉タバコでも最も丁寧に扱われた部分を使用するのがほとんどです。
専門的にはシェイドグロウン、つまり日陰で育成させたたばこで、直接太陽光に触れる事から守りながら作られる葉タバコになります。
こうする事で色合いも整い、美しく、ぬめった感のあるあの独特な光沢のある葉タバコができるわけです。
Corojoと称される部類の葉が大半を占めます。

喫煙シーンなどによりますが、例えば華やかなドリンクパーティーなどでは、ダビドフやコイーバを意気に吸うよりも、
ラッパーの色合いが美しいモンテクリストのホワイトシリーズを嗜む方が、タキシードにもマッチして個人的には好きです。

品格ある葉巻 オリヴァ

その昔キューバより亡命し、長い苦難を乗り越えニカラグア産のトップブランドとして君臨することとなったオリヴァは、Cigar Aficionadoなどのレーティングでも高い評価を得ているブランドです。

メジャーなものでは、
・セリーOシリーズ
・セリーGシリーズ
・セリーVシリーズ

などがありますが、総じて立ち上がりから中盤にかけて安定した旨みと喫味が感じられ、中盤以降はいい意味で個体差を楽しめる実力派シガーと言えます。それぞれにカカオやラム、カラメル系の大人の甘み、上質な木質系の喫味、コーヒーの味わいなど飽きる場面がむしろ少なく感じるのがオリヴァでしょう。

安価な「フロール・デ・オリヴァ」などでも、コストパフォーマンスの良いものがありますが、セリーシリーズであればまず「No」と感じる人はいないでしょう。

綺麗なラッパーとたっぷりとした白煙に、他とは違うダビドフのような品格を持つ、いい葉巻です。

タバコ葉

葉巻は大きく分けて外側部分のラッパーと中身のフィラーに区分けされますが、香りや喫味などに重要な影響を持つフィラーはさらに3つに分けられます。タバコの下部、つまり土から出たばかりの茎の部分あたりになるボラド、茎中間部のセコ、上部のリヘロとなっています。

たき火のイメージを想像するとわかりやすいかもしれませんが、下部のボラドが燃焼力が強く、上部に移るにつれてテイストや香りが強くなります。これらをブレンドすることによってそれぞれのシガーの基本テイストが仕上がっていくわけです。

とはいえ、物理的に目にするのは外側に巻いてあるラッパーなので、その色具合や質感が我々のチョイスに大きく影響する部分です。ラッパー専用に栽培されるCorojoなどが有名です。ちなみにこの呼び名はキューバにある農園のEl Corojoからきています。ビジュアルが重要なラッパーですので、同じ栽培でもかかるコストは他のタバコ葉より高くなっています。

その中でも松茸などと同様に葉のランクによって格付け・分類されていく訳ですが、葉を巻いたりさばいたりしている現地の写真がありますが、あの方々によって選別整理されて香り豊かなシガーが出来上がっていくわけです。

南米シガーの歴史

多くの方がご存じの通り、そもそもはアメリカンインディアンとコロンブスによって大きく世の中に伝わったものといってもいいでしょう。当時のインディアンが行うお祈りやお祭り、神聖な儀式において常にある道具です。

しかし実はインディアンだけでなく、多くの地域で重宝されていたものです。マヤ文明においてはその年最初のたばこは以降の雨の祈願として神様に捧げられていました。アステカ文明では信心として毒解毒剤して、カリブでは薬品の一つとしてなどです。そして1400年代終盤にコロンブスによって大きく広がっていくきっかけとなっていくこととなります。しかしながらキューバに伝わった明確な時期は不思議と明らかにはなっていません。

とにかく当時のたばこ葉はある人たちにとっては非常に高い価値を持たれており、幻想的な煙と香りを放つたばこ葉はのちに多くの人々に触れることになります。

キューバはその土壌や気候からたばこ葉に最適なエリアでしたが、大きくは1600年代の半ば、当時のハバナ市長によってたばこ農園を大幅拡大するといった方針で大きく発達していく流れとなります。
この影響で多くの人々がキューバないしは近隣諸島に移り住み発展していきました。

17世紀後半には葉巻のみならず、噛みたばこやパイプ葉などがヨーロッパに大きく広まっていく時代となりました。その流れで国家によるたばこ独占の時期(当然に当時の国民には強い反感を受け18世紀初旬にはこの抑圧は終わります)を経て、現在に至っています。

Romeo y Julieta Reserva Real

ロメオ イ ジュリエッタ レゼルブのみならず、同じくロメオのロメオズ、モンテクリスト メモリーズなどもティンシガーの元来スタイルである10本ティンパッケージから6本ティンパッケージに変更となりました。米国内でもトライアル的に変更を行っているところはあるようですが、どうも6本パッケージがポケットに収まりやすいという理由がメインのようです。

確かにプリストサイズのコイーバペクノティンやオリヴァ Oティンなども同様のサイズで持ち運びに高評判なことから、この広がりはメジャーになりそうです。

Romeo Y Julieta Reserva Real

Romeo Y Julieta 1875 Romeos

Montecristo Memories

ホンジュラスの葉巻

少し前になりますが、サッカーの試合でホンジュラス代表と日本との戦いがあり、暫くその試合を見入りながらホンジュラスも結構強いのかと、サッカーにさほど詳しくない私は思って見ていました。
調べてみると、この時点で世界ランキングは84位と、(ちなみに日本は49位)なるほどそこそこの水準なんだと遅まきながら理解したところです。

葉巻で言えばランキングトップはキューバ産という方が多いでしょうが、ホンジュラスシガーをご存知でしょうか?まず距離ですがキューバと目と鼻の先で人口は700万人ほどです。
実は葉巻の生産能力としては最大のドミニカ共和国に次いで2番目の位置付けにあります。その殆どはキューバの種により育てられ、育成方法もキューバで行う生産工程を順守しているので、ほぼキューバ産といっても言い過ぎではないかもしれません。

地理的には山岳や高原、平野とバラエティに富んだ地形を備えている事もあり、幅広い要望に対応できる地理的な優位性も持ち合わせ、中にはキューバ産を凌ぐシガーもあると聞きます。
ここ10数年ほどで飛躍してきた感もある地域です。ご存じなかった方は私のサッカーと同様、一度興味を持たれても損はない生産地の一つです。

ロメオ イ ジュリエッタ(フリエタ)

コイーバやモンテクリストと肩を並べる歴史あるメーカーの一つ。

イギリスのチャーチル首相が好んだロメオ イ ジュリエッタ チャーチルは同社の代表作の一つ。チャーチルサイズもここからきている。その他、セドロに包まれているセドロデラックスシリーズや、白と赤のチューブに格納されたNo.1,2,3など有名なシリーズを多く保有している。総じてアロマが深く豊かなものが多く、ディープな支援層を持っている。

スモールシリーズではペティコロナスなどがあるが、同サイズではドミニカンロメオシリーズが出しているロメオ イ ジュリエッタ ロメオズジュリエッタス、レゼルブやモンテクリスト ホワイトシリーズなどがその手軽さからメジャーになりつつある。

葉巻は熟成か否か

ボジョレーヌーボのような出来立ての葉巻がいいのか、それとも何年も寝かしたビンテージ物がいいのか、これもよく聞かれる事です。結論から言いますとワインと同様にどちらもそれぞれ良いという事でしょう。
葉巻を個人的に寝かせるという事は、結局は自分の好みの湿度で時間を掛けて安定させるので結果的に自身で楽しむ分には最良のコンディションになる為、ビンテージがいいとなるのだと思います。

日本という国は四季がはっきりとあり、温度・湿度の変化が大きい国なので、客観的に見れば長期保存にはあまり適した環境とはいえないでしょう。
葉巻の保管維持には70%程度が理想の湿度と言われますが、日本の梅雨時期などは100%近い期間もあり、真冬などは30%もないでしょう。当然気温も大きく違います。想像してみると分かり易いのですが、この変化で葉巻が膨らんだり縮んだりを繰り返しているとダメージが蓄積していくのは容易に想像がつきます。もちろん、まるまる外気に触れる状態で保管する事はないので極端な説明になりますが。とはいえ、ヒュミドールで保管していても四季の変化は伝わりますのであまり長期はしない方がいいと個人的には思います。

米国経由の南米産シガーは製造工程が整っていることもあり、キューバ産と違いほぼセロファン包装されているのが特徴です。日本という特性で考えれば、好みの状態まで持っていく熟成時間には影響が出ますが、保存における影響が少ないセロファン包装がベターだと思います。

最後に現地の製作者の多くの方々は作り立て、つまりフレッシュな葉巻が実はとても美味しいよと言っています。

フォンセカ

創業者はF・E フォンセカ。1891年に創業。
以来、葉巻を一つ一つホワイトペーパーで包んでいる事で有名。総じてソフトな感触で扱いやすいため、葉巻ビギナーにも入りやすい老舗ブランドです。

最も有名なところでは「フォンセカ デリシャス」で、葉巻を嗜むものでこれを知らない人はいないであろう有名な一品。
含んだ感じもやはり軽く、指でつまんでいてもその柔らかさは他と容易に区別がつくやさしさを全体的にまとったシガーでしょう。

季節でいえば春から夏に似合うフィーリングの葉巻です。