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葉巻は熟成か否か

ボジョレーヌーボのような出来立ての葉巻がいいのか、それとも何年も寝かしたビンテージ物がいいのか、これもよく聞かれる事です。結論から言いますとワインと同様にどちらもそれぞれ良いという事でしょう。
葉巻を個人的に寝かせるという事は、結局は自分の好みの湿度で時間を掛けて安定させるので結果的に自身で楽しむ分には最良のコンディションになる為、ビンテージがいいとなるのだと思います。

日本という国は四季がはっきりとあり、温度・湿度の変化が大きい国なので、客観的に見れば長期保存にはあまり適した環境とはいえないでしょう。
葉巻の保管維持には70%程度が理想の湿度と言われますが、日本の梅雨時期などは100%近い期間もあり、真冬などは30%もないでしょう。当然気温も大きく違います。想像してみると分かり易いのですが、この変化で葉巻が膨らんだり縮んだりを繰り返しているとダメージが蓄積していくのは容易に想像がつきます。もちろん、まるまる外気に触れる状態で保管する事はないので極端な説明になりますが。とはいえ、ヒュミドールで保管していても四季の変化は伝わりますのであまり長期はしない方がいいと個人的には思います。

米国経由の南米産シガーは製造工程が整っていることもあり、キューバ産と違いほぼセロファン包装されているのが特徴です。日本という特性で考えれば、好みの状態まで持っていく熟成時間には影響が出ますが、保存における影響が少ないセロファン包装がベターだと思います。

最後に現地の製作者の多くの方々は作り立て、つまりフレッシュな葉巻が実はとても美味しいよと言っています。

フォンセカ

創業者はF・E フォンセカ。1891年に創業。
以来、葉巻を一つ一つホワイトペーパーで包んでいる事で有名。総じてソフトな感触で扱いやすいため、葉巻ビギナーにも入りやすい老舗ブランドです。

最も有名なところでは「フォンセカ デリシャス」で、葉巻を嗜むものでこれを知らない人はいないであろう有名な一品。
含んだ感じもやはり軽く、指でつまんでいてもその柔らかさは他と容易に区別がつくやさしさを全体的にまとったシガーでしょう。

季節でいえば春から夏に似合うフィーリングの葉巻です。

シガーカッター

葉巻を吸うにおいて、初めから吸い口部分がカットされている一部のものを除くとシガーカッターで吸い口をカットする儀式があります。
通常はダブルの刃で両側よりカットを行うものが普通ですが、シングル刃もあればトリプル刃もあります。

好みにはなりますが、やはりダブルブレードが一番のお勧めでしょう。シングルは片側にパワーがかかり崩す感じとなります。トリプルは全体的に締め切る感じですが、シガーカッター自体が良い作りでなければグシャリ感が出てきます。フィラーの並びに影響が出ない様、スッパリと落とす事が基本ですので、色々ありますがいきつくところはダブルではないでしょうか。

パンチカッターは吸い口にタバコ葉が付きにくい仕上がりになりますので、こちらも人気のあるカッターです。V字カッターも意味合い的にはパンチカッターに似たところがあり、葉が口につきにくい形状にカットしてくれますが、入口がかなり狭くなるのでテイスト的には醍醐味が損なわれてしますかもしれません。

敢えて言えばですので、強くこだわる必要はありませんが、シガーには何かとこだわりが多いものです。

パルタガス

パルタガス=荒々しい というのが古来からのパルタガスのイメージ。

創業は1845年。キューバで古い歴史を持つ有名ブランドの一つ。よく知られているところではパルタガス セリーD4。大変強い喫味であり玄人ないしはマニア好み。ダークなラッパーに真紅のリングも強烈なビジュアルとして有名。またチューブに入ったコロナスメジャーも文字通りメジャーなシガーの一つ。ラフな感じのジャンルではパルタガスショートも初心者ベテランに幅広く愛されているものとして有名。見た目はセリーD4より強い印象ながら、以外とデリケートな香りなパルタガスブラック クラッシックは米国では長い人気品のもの。

このようにタフな印象が強いブランドながら、近年ではテイストをかなり現代風にアジャストして人気を維持している。

モンテクリスト

コイーバに次ぐ葉巻ブランドといっても過言ではないメーカー。
設立は1935年。名前はモンテクリスト伯爵に由来しています。柔らかでソフトなテイストが特徴。中でもモンテクリストNo.2はトルペドサイズのシガーとして非常に有名な品の一つで食後にじっくり時間をかけて楽しむシガー。

ドミニカンモンテクリストでは、逆にお手軽なモンテクリストメモリーズがデイリーシガーとして非常にポピュラー。
モンテクリストホイタスがスモールサイズでは有名ながら、ドミニカンモンテクリストメモリーズの方が若干太く辛みも抑えており、初心者にも抵抗なく味わえる。

ヒュミドール

葉巻の保管ケース、いわゆるヒュミドールの殆どは杉で出来ています。 ファッション性を重視したアルミ仕様などもありますが、それでも内部には薄手の杉が入っていたりします。
理由は通気性と調整力。乾いたエリアであれば湿気を外に出して加湿し、逆に多湿エリアでは湿気を吸収するのでデリケートな葉巻を保管する材質としてはベストといっていいでしょう。杉自体も自然な香りを醸し出しているので葉巻との相性も悪くありません。

短期であればさほど気にする事はないでしょうが、長期保存や葉巻の熟成にはヒュミドールはかかせないアイテムです。

葉巻と飲み物

地産地消ではないですが、魚であれお酒であれ、地のものは地のものが合うとよく言われます。葉巻の場合だとラム酒でしょう。有名どころではご存知の「モヒート」カクテルなどです。葉巻好きなヘミングウェイが大振りのモヒートを葉巻とよく飲んでいたようです。

シガーは香りが重要ですから、葡萄がベースのコニャックもお互いの香りを尊重しつつ楽しめる組み合わせでしょう。お酒だけではなくシガー生産地はコーヒーも有名どころですから、濃厚なコーヒーとも抜群に合います。

とはいえ、我々は総じてバーボン等がほとんどですので、いつもバーボン&シガーに落ち着きます。例えばストレートで独特の甘さを感じるオールドクロウにパンチシガーなど相性抜群です。

コイーバ

その香りだけでコイーバとわかる、と称されている、葉巻を語るにおいて欠かせないブランドがコイーバです。
蛇足ですが、もともとコロンブスが初めてキューバに踏み入れた際には既にタバコは作られていましたが、ナス科の葉を巻いてそれ自体をコイーバと名付けられていました。

コイーバの葉巻は当然に上質なラッパーだけで作られています。上質構造のラッパーは生産段階で明るい色調になる傾向がありますが、コイーバのシガーは総じてそのような色調ではないでしょうか。
概ね3次発酵が行われますので当然に熟成度合もよく、おのずとハイレベルなシガーとなるのです。

コイーバ=キューバですが、近年ではドミニカンコイーバも定番的な人気を押し上げています。

スペシャルな夜にはコイーバを。

午後の葉巻

午前中を書いたので午後を書かなければ締まりがありません。

この場合の午後とは、イメージ的には1週間の仕事が終わったウィークエンドな感じです。椅子は大きくゆったりめで音があっても決してうるさくない環境。1週間を思いふけりながらのシガーなので大きく重厚な葉巻が嵌ってきます。例えばモンテクリストNo.2なども十分対応できるシガーです。

シガーコネクションでのお奨めとすれば、ラ グロリア キュバーナ マデュロ コロナ ゴルダなどをチョコレートと併せて楽しむなどでしょう(La Gloria Cubana maduro Corona Gorda)。
面白いところではスクエアフォルムがかったロッキーパテルのトロシリーズでしょうか。細四角長く、吸っていてスタイリッシュな感覚になります。

午前中の葉巻

時折、時間帯によってどのようなシガーを楽しむのか友人と話す事がありますが、「朝はこうでしょう」みたいな話がありました。あまりにもライフスタイルがかけ離れている面々なのでバラつきはありましたが、たとえ休日であっても朝からトロサイズでどっぷりといった意見はなかったです。あまり時間のかからないサイズ感が朝にはちょうどいいといった感じです。例えばティンシガーやペティコロナサイズのシガーです。

あと香りもやはり軽めというか、マイルドめなものをチョイスしているところです。マデュロ好きでも午前はナチュラルという意見が多かったです。
シガコネでいうところの「オリヴァ セリーO ティン」や「モンテクリストメモリーズ」あたりがこれらに該当する感じです。みなさんはいかがでしょうか?