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大晦日の葉巻

私は年末年始の葉巻は、やはり一年の区切りと新しい年の始まりという事もあり、ヒュミドールから一本の葉巻を選ぶ時かなり考えたうえで選びます。
今年の葉巻は、最近日本でもシガコネから発売することになったOliva Serie Vでした。

年末年始は神戸のホテルに滞在していたので、そこのシガーバーでOlivaに火をつけました。
宿泊客は皆テレビで紅白、もしくは異種格闘技を見ているらしく、シガーバーにはほとんどお客さんもなく、ビールを片手に葉巻をゆっくり楽しむことができました。

こうして年末に、一年間の仕事と自分の人生を考えながら、バーの暗闇に消えていく煙を目で追っていると、来年もがんばろうという気がわいてきました。
ふと気が付くと12時を回っており2010年が始まっていました。
年越し蕎麦ならぬ、年越し葉巻といったところでしょうか。

日本でも近年は禁煙ブームが強まっており、こうしてゆっくり葉巻を楽しむ場所もだんだん少なくなるのではないかと心配です。
せめてシガーバーだけは残してもらいたいものだと思います。
実際アメリカの多くの州では、普通のバーはすべて禁煙でほんのわずかのシガーバーだけが、合法的に室内で葉巻を楽しめる場所となっています。
そのシガーバーもメンバー制のところが多く、簡単にはゆっくり座って葉巻に火をつける場所が無いのが現実です。
日本の大手ホテルには、大抵シガーバーがあり気軽に葉巻が楽しめます。
日本の葉巻愛好家の皆さんはシガーバーに関しては恵まれていると思いました。

ACIDシガー

ついにシガコネからAcidシガーが発売となりました。
個人的には数年前からAcidシガーの存在は知っていたのですが、あまりにもシガーの常識的価値観から外れていたので、興味はあるものの手を出すまでには行かなかったのが本音です。
ある意味では、とても現代的でアメリカンな存在でもあると思います。
これまでのシガーと違ったものを作る、そして違った形でマーケッティングしていく、これほどはっきり割り切っているのも、その葉巻自体に自信があるからできることなのかもしれません。

今回、Acidシガーを扱うきっかけになったのは、この夏のニューオリエンズでのIPCPR総会でした。
IPCPRの会場でAcidシガーのブースに興味持ち、訪問したところ、話が盛り上がり、Acidシガーの担当者からの話しで「この葉巻はこれまで葉巻に興味を持たなかった年代の層にも受け入れられている」「六本木あたりで若者が気軽に味わえる葉巻だ」「結果としてぜひとも日本でAcidシガーを広めてもらいたい」ということになったのです。

夏以来、何度かサンプルで取り寄せたAcidシガーを吸ってみましたが、先進的なイメージと独特の唇に絡みつく甘さ以上に、その作りこみと葉巻としての完成度の高さには感心しました。

CAOフレーバーをすでに楽しんでおられる方はAcidシガーに何の抵抗も無いと思います。
今までにない葉巻をお探しの方も、試してみる価値はあると思います。
葉巻がはじめての方にも、このAcidシガーは勧められると思います。
Acidシガーの広報の人によると「Acidしか吸わない」そんな葉巻人もアメリカには結構いるそうです。

クリスマス秒読み開始

アメリカでは感謝祭の次の日から一斉にクリスマスセールスが始まり、街のあちこちにはクリスマス飾りのライトがつけられます。
そのメインは、町の中央広場にすえられた30Mぐらいの杉の木の周りに集まり、クリスマスのライトアップをカウントダウンしながら待つことです。
私も今年はポートランドの中央広場で、CAOを燻らせながらライトアップを眺めていました。

感謝祭はいつも11月の最後の木曜日と決まっていますので、セールスが始まる金曜日は小売業界でブラックフライデーと呼ばれています。
なぜ黒かといいますと、一般小売業者が赤字から一気に黒字に変わる期間の初めだからです。

多分日本もそうだと思いますが、デパートなどは年間の収入のほとんどをこの感謝祭からクリスマスまでの数週間で稼ぎ出すのです。

これはネット販売の小売にも当てはまりますが、ネット販売の売り上げ率が上がるのは金曜日ではなく、皆が仕事に戻った月曜日です。皆さん仕事場から仕事の合間にネットで買い物をするわけです。

シガコネでもクリスマス向けパッケージを多く載せています。

かなり前にこのブログで「男から男に送るプレゼントとして葉巻は最適である」といったこと書いた記憶がありますが、本当にそうだと思います。
気のあった友人と一緒に葉巻を楽しむことで、これまで以上に友情を深めたり、葉巻を通じて新しい友人とであったりすることができるのではないでしょうか。

感謝祭

今日はアメリカの感謝祭でした。

感謝祭には皆家族の元に帰り、テーブルを囲んで秋の収穫を祝うのです。
ちょうど日本の盆もしくは正月のような感じです。

感謝祭の始まりは、アメリカ開拓の初期に海を渡ってこの地に住み着いた移民と、現地のインディアンが、その初めての秋に収穫した穀物を囲んで食したことによります。
アメリカの感謝祭では七面鳥を食べるのが恒例になっており、七面鳥にとっては不幸な日です。
多分今日だけで何万という七面鳥がオーブンで焼かれたと思います。
私も妻の実家に呼ばれ、決まったように七面鳥を食べました。

毎年思うのですが、この七面鳥のオーブン焼きはけして美味しいものではありません。
特に素人が自分の家で焼いた場合、鳥の身がドライになり過ぎ、パサパサしているだけの味気ないものになります。

ポートランドに住んでいた頃は、レストランでプロの作った七面鳥を楽しんでいたのですが、妻の実家が近くにある以上これは仕方がありません。
食事の終わりには皆で近所を散歩するのも毎年のことで、私は持参したPredomoを燻らせながら、煙がみなの迷惑にならないように数メートル離れながら参加しました。

タバコの発祥はアメリカのインディアンで、コロンブスのアメリカ発見によって西洋にもたらされたのです。
その事実を考えれば最初の移民たちもインディアンと一緒に、初めての感謝祭の日にタバコを燻らせたかもしれません。

雨上がりのポートランド

この所、妻の仕事が忙しく、先週末もまた一人でポートランドのコンドで過ごしました。
友人と行きつけのバーで、ビール数杯飲みながら葉巻を楽しむのが最近の私の週末です。

ポートランドも今年から、バーを含めてすべて禁煙になっているのですが、我々の行きつけのバーには屋根つきの野外喫煙スペースがあり、簡単なテーブルと椅子があるのです。
バーで飲み物を注文した後は、そのドリンクを持ってこの野外喫煙スペースに移動して、人に迷惑をかけずに葉巻を楽しむことができるのです。
葉巻を吸っているのは私だけで、他の友人たちは皆タバコを吸っていますが、ゆっくり座ってドリンクを片手に煙をくゆらせるこの場所は貴重です。

この週末はずっと雨で、青空を見る機会はほとんどありませんでした。
でも一度だけ雨足がやんだ時、空に見事なダブルレインボーがかかりました。
別に深い意味は無いのですが、私は思わずその虹に向かってCuba Libreの煙を大きく噴出しました。
虹に消えていくCuba Libreの煙、意味のあるような無いようなそんな週末でした。

Tinシガーの楽しみ方

私は基本的に大きめのシガー、ロブストもしくはトロサイズを好んで吸います。
どうしても小さめの葉巻は、せっかちな私が吸うと熱くなりすぎて楽しめないのです。
ですからTinサイズのシガーはこれまであまり吸っていませんでした。

先日、日本に発送する葉巻を検品中に、ケースがダメージを受けているTinシガーを見つけ、これは商品にならないので吸ってみました。

結果から言いますと、ゆっくり吸えば味と煙の量に関しては大きめのシガーと比べても十分楽しめます。
小さいサイズながらも20分ぐらいは十分楽しめます。

最近では大き目のシガーを吸って数時間たったあと、もう少し葉巻を楽しみたいと思った時に、Tinシガーに火をつけることにしています。
シガコネではTinシガーも数多く揃えていますので、自分好みのTinシガーを見つけて、ヒュミドールの片隅に入れておくことをお勧めします。
私の場合Tin シガーは2本目のシガーとして欠かせない存在になりつつあります。

コロンビアゴージ

オレゴンとワシントン州の境目はコロンビア川です。
アウトドア用品の名門「コロンビア」の由来も、このコロンビア川から来ています。
先週はこのコロンビア川沿いのスティーブンソンという、小さな町で行われた学会に出席してきました。
コロンビア川沿いに建てられたホテルは、大きな杉の木に囲まれており、実にいい感じのリゾートでした。

学会の2日目、雨上がりの夕方にRomeo & Julietに火をつけて、一人で散歩していると、ホテルのロビーの方から男性2人連れが、葉巻に火をつけながら私の方に歩いてきました。
数分後には3人で葉巻の話から始まり、いろんな世間話をしながら、ホテルを包み込む大自然を楽しみました。

これが普通のタバコなら、多分こんな感じで会話が弾むことは無かっただろうと思います。
これもまた葉巻を楽しむ人々だけが味わうことのできる大切な時間です。
葉巻を吸い終わるころには、晩秋の柔らかな太陽も、山々の間に落ち黒々とした大きな杉の木シルエットだけが横たわっていました。

暖炉に火を入れました

昨日の夕方久しぶりに妻と夕方の散歩をしました。
この土地に引っ越してきた2年ほど前は、毎日のように夕方になると葉巻を片手に妻と散歩していたのですが、近年はお互いの仕事の時間の関係で夕方の散歩もお預けでした。

夕方5時ごろに外に出ると空気はもう冷え切っており、葉巻を持つ手に手袋が欲しくなるほどでした。
1時間ほど近所を歩き回って、丁度Rocky Patel 1992 Toroが燃え尽きる頃に家に戻ってきました。

冷えた体を温める為、今季初めて暖炉に火をつけました。
アメリカの最近の家の暖炉はガス式で、電気をつけるように壁のスイッチを入れるとボンと音がして暖炉に火が付きます。
昔ながらの薪を燃やすタイプの暖炉もありますが、便利さと環境問題を考えるとこのガス式暖炉の方が時代にあっています。

家の猫にとっては始めての暖炉経験で、ガラス越しに燃えるガスの炎を興味津々で眺めていました。
こうして暖炉の火を見つめながら葉巻を吸えたら最高だと感じましたが、リビングルームで葉巻を吸うことは、理解ある妻といえども許してくれないだろうと思います。

今年中には完成させる予定だった、1階のスモーキングルーム兼ガレージは8割完成しましたが、まだ床とガレージドアの設置ができていません。
でも壁、天井、ライト、空調設備、排気装置の取り付けはすべて終わっているので、車は入れれませんが葉巻を吸うことに関しては問題ありません。
安物のカーペットでも敷いて、椅子とテーブルを備え付ければ今年の冬は乗り切れます。
将来はこのスモーキングルームに小さな暖炉を設置するのも良いかもしれません。

冬の気配

今朝、家の芝生にうっすらと霜が下りているのに気づきました。
秋と思っていたのもつかの間、知らないうちに冬の気配がすぐそこまで来ています。

私の住んでいるワシントン州東部に雪が降り始めるのは、早くても12月に入ってからですので、まだ雪の心配はありませんが、気温だけは確実に下がり始めています。
つい最近まで、喜んでベランダに出ていた猫たちも、今ではあまり日が沈んだあとは外に出たがりません。
日本なら冬になればコタツなどが出てきて、猫はコタツで丸くなるのでしょうが、コタツの無いアメリカでは猫はどうするのだろう、などと意味の無いことを考えながら冷えた夜空に消えていく葉巻の煙を目で追っています。

私の場合、季節によって楽しみたい葉巻の種類が変わります。
暑い夏場は少し軽めのコネチカット、もしくはカメルーンラッパーの葉巻に手が伸びましたが、気温が下がってくるとなぜかフルボディーの葉巻、たとえばLa Gloria Cubanaなどが欲しくなります。

月見

ポートランドには、全米でもっとも美しいとされる日本庭園があります。
実はポートランドで十年近く過ごしているのに一度も行ったことがありません。

日本に一時的に戻る時はいつも京都の寺や日本庭園を見て回る時間をとるのですが、不思議とポートランドの日本庭園にはいちども足を運んだことがありません。
アメリカ人が作った日本庭園というのはどうも外国人の握る寿司と同じで、何か少しずれているような気がしてあまり興味を抱かせないのだと思います。
しかし最近では寿司も“Sushi”となり、メキシコ人の握る寿司も気にせずに食べていますので、アメリカにある日本庭園を訪れてみるのも悪くないかもしれません。

毎年10月にはこのポートランド日本庭園で、なんと琴を聞きながら月見が行われるのです。
月見をする人など現在の日本でも少ないのではないでしょうか。
案外アメリカの日本庭園のほうが日本的だったりするのかもしれません。
琴を聴きながらの月見も良いかもしれませんが、今の私は葉巻を燻らしながらの月見になってしまうと思います。
多分日本庭園内は禁煙でしょうから、川沿いの公園でポートランドのビルの合間に浮ぶ月を見ながらMontecristoあたりに火をつけることになりそうです。