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友人、オイスター、マーティーニ、そしてロッキーパテル

先日、グアム時代の友人が、本土で会議に出席したついでにシアトルに数日滞在するということで、久しぶりの再会になりました。
若かった頃はどんなに酒を飲んでも全く崩れなかった彼も、現在ではコレステロールと血圧の薬が手放せなくなっており、年をとるのは怖いものだと考えさせられました。

初日の夜は、シアトルダウンタウンにあるブルックリンという名のシーフード専門店で、オイスター(生牡蠣)の前菜をあてにマーティーニを数杯流し込みました。
私がアメリカ北西部で養殖されているオイスターの中で一番気に入っているのがKumamotoオイスターです。
どう考えてみてもこの英語のKumamotoは“熊本”だと思うのです。
多分そのむかし、日本の熊本から牡蠣の種を持ってきて誰かが養殖を始めたのでしょう。
この熊本オイスター、小粒でとてもクリーミーな上品な味わいを持っているのです。
日本では一度もこの熊本産の牡蠣など見たことが無いので、多分もう日本では生産していないのかもしれません。

オイスターとマーティーニを充分楽しんだ後は、二人でロッキーパテルを燻らしながらシアトルの夜の町に出かけました。

こうして友人と昔話に花を咲かせながら楽しむ葉巻は最高です。
友人、オイスター、マーティーニ、ロッキーパテルとてもいい感じのシアトルの夜でした。

シアトルと日本

今年の夏はワシントン大学で研究生活を送る時間が多かった為、じっくりとシアトルの町を経験することができました。

シアトルは、ちょうどポートランドとサンフランシスコの中間的な感じの町です。
気候的にはポートランドとほぼ同じですが、朝方霧がかかったりする感じはまるでサンフランシスコです。
町の雰囲気はリベラルで開放的です。
リベラルな町の感覚は、西海岸沿いの大都市に共通するものがあります。

シアトルには日本人に良く知られた名所かなりあります。
シアトルマリナーズのSafeco Field、某映画で有名なPikes Place、スターバックス最初の店などはいつも観光客でにぎわっています。

歴史的に見ても、シアトルと日本は戦前から航路で繋がっていました。
柔道を世界に広めた嘉納治五郎も、横浜港からシアトルに入る経路で柔道をアメリカに伝えたのです。

この町で一つ不思議に思うのは、ロサンジェルスやサンフランシスコにはある日本人町が無いことです。
ただ私が知らないだけで、昔は存在していたのかもしれません。
第二次世界大戦中、米国籍を持つ日系人は殆どすべて財産没収のうえ強制収容所に入れられてしまった為、その歴史が途中で途切れてしまっていることが多いのです。

8月15日は終戦記念日です。
戦後生まれでアメリカ人の妻を持つ私にとって、意味があるような無いような記念日です。
とりあえず平和な世界に生まれたことを感謝してボリバートロあたりの重めの葉巻に火をつけようと思っています。

華氏104度での葉巻

この夏はワシントン大学の研究所で仕事をしている関係で、週末だけワシントン東部にある自宅に帰るというパターンを繰り返しています。

今週末、家に帰ると気温が華氏104度(摂氏40度)という状態でした。
ワシントン大学のあるシアトルは華氏80度(摂氏26.6度)ぐらいでしたから、その温度変化はかなりのもでした。

シアトルから家までは時速75マイルほどでクルーズしても3時間半ほどかかるので、家に着くなり当然葉巻に火をつけたくなるものです。
こんな熱い状態では外で葉巻を楽しむのも気が引けるのですが、幸いなことにワシントン州東部は乾燥しており(丁度西部劇に出てくるような環境です)、気温が高くても湿度が低いため日陰に入れば何とかしのげるのです。

さてこの高温の中でも楽しめる葉巻はどれだろう、とヒュミドールの扉越しに(自宅にはキャビネットサイズのヒュミドールを設置しています)色々吟味した結果、選んだのはペルドモでした。
この葉巻は本当に素晴らしく、どんな環境にもうまく溶け込みます。
乾燥した熱い空気中に流れていく葉巻の煙は、不思議なことに周りの温度を少し下げてくれるような感じさえするのです。

アラスカで吸う葉巻

昨日からアラスカのフェアーバンクスに学会関係の仕事できています。
フェアーバンクスはアンカレッジからさらに内陸のほうに150マイルほど北上した地点にあります。

何でまたこんな田舎町で学会を開くのかと思えば、丁度この町にアラスカ大学があるからでした。
アラスカ大学の先生たちはいつも米国本土まで出張という形で学会にこられるので、二年に一度はアラスカで学会をやるらしいのです。

本土の連中で釣りやハンティングの好きな方々は、このアラスカでの学会を楽しみにしているそうですが、基本的に珊瑚礁とココナツ、そしてコバルトブルーの海を愛する私としては、万年雪のとツンドラで成り立っているアラスカには殆ど興味も無く、自分から来ることはまず無いと思います。

幸いなとこに、冬は零下何十度まで落ちるといわれている気温も、夏のこの時期は少し肌寒いぐらいで、外でも半そでで過ごせます。
冬場はオーロラが見えることで有名なこの町ですが、夏場の今は夜の12時半過ぎまで日が沈みません(日が沈んでもまだ明るい)。
夜明けはなんと朝の3時頃です。
早い話が一日中外は明るいのです。
昨日も明るい夜の10時頃にホテルのロビー近くにあるスモーキングエリアで一人でCAOを吸っていました。

11時過ぎにホテルのバーで寝酒をかねて、地ビールであるAlaskan Amberを3杯ほどジョッキで飲み干しました。
それでも外は真昼のように明るく全く寝る気になりません。
もう一本葉巻に火をつけようかとも考えましたが、持参したヒュミドールにはあと4本しか葉巻は残っていません。
初日に2本消費してしまうと、後残り4日間のうち一日は葉巻無しの夜を迎えなければいけません。
この何も無いフェアーバンクスで葉巻の無い夜は耐え難いと思われます。
皆さんもしもアラスカに何かの関係でどうしても行かなければ行けないときは、旅行日数X2の葉巻(一日2本の計算)を持参されることをお勧めします。

久しぶりのロッキーパテル

最近は手軽に楽しめるロブストサイズにひかれて、ペルドモオリヴァばかり吸っていましたが、昨日久しぶりにロッキーパテルヴィンテージ1992トロサイズに火をつけました。

ロブストに比べると長さの関係か少しドローが重たい感じでしたが、ヴィンテージ1992独特の甘い味わいはこの葉巻でしか味わえない世界です。
数年前ハワイに住んでいた頃初めてこのロッキーパテルを吸った時の感動を思い出しました。
あの頃は確かにこのロッキーパテルだけの持つ甘さとスパイスの効いた味わいの虜になり、毎日のようにヴィンテージ1992と1990を吸い比べていました。

その頃住んでいたコンドミニアムからアロハタワーまで歩いていき、そこで20分ほど海を眺めてそこから少し横道にそれて、チャイナタウンを経由して家に帰ると丁度1時間。
トロサイズの葉巻が終わるころにコンドミニアムに帰ってくる、という散歩兼葉巻の時間を繰り返していました。
今では家のベランダか庭で猫を相手に、流れていく雲を見ながら一日を振り返り、そして明日の仕事を頭の中で整理するのが私の葉巻の時間です。
ハワイでの生活もこうして振り返ればそんなに悪くは無かったなと思わせるロッキーパテルでした。

一年ぶりのフィリピン

妻と恒例の夏のダイビング旅行でフィリピンに行ってきました。

毎年少しは違った場所に潜りに行こうと、いつも話しだけはするのですが、旅費と時間を考えるとフィリピンのそれもアポアイランドになってしまうのです。
結果として三年連続でアポアイランドで潜ることになりました。

アメリカ西海岸からアポアイランドに行くためには、まず成田経由でマニラに入ります。
マニラで一泊して次の日、国内便でネグロス島のドマゲッティまで一時間少し、そこからホテルの送迎車で30分位でアポアイランドの見えるダウインという町に到着します。
ここをベースにアポアイランドに潜りに行くのです。

アポまではバンカボートで30分から40分ぐらいです。
アポでは午前中に2本潜り、ランチを島で食べた後午後に軽く1本潜ってからホテルに帰る、というパターンが基本です。

アポアイランドの周りは禁漁区になっており、魚の数もサイズも最高です。
銀ガメアジの群れの中を潮流に乗って、流れながら潜るのはアポアイランドならではのダイビングです。
アポでのダイビングのもう一つの楽しみは、島に上陸してのランチです。
数年来の付き合いのダイブガイドが、新鮮な魚を手配してくれ、それを現地の人と同じように焼き上げてご飯と一緒に食べるのです。
過去には現地で取れたマグロの腹身(いわゆるトロです)をBBQにして、豪快に手でちぎりながら食べたのですが、今回はなんとマグロの背びれの付け根でした。
生まれて初めて食べたのですがマグロの背びれの部分は、トロ以上に油が乗っており歯ごたえもあり最高でした。

ダイビングを終えた後は、ホテルに戻りフィリピンの国民的ビールサンミゲールを一気に飲み干します。
二本目のビールを開ける前に、持参した南米産葉巻に火をつけるのです。

今回はオリバペルドモをシガーケースに入るだけ(何とか6本入りました)持ってきました。
海風を受けながら水平線に浮かぶアポアイランドを背景に味わう葉巻は最高の時間を作り出してくれました。

完璧な午後

今日は大学の仕事を早めに切り上げ、夕方の4時には家に帰ってきました。
妻が帰宅するまではまだ少し時間があったのでオリヴァセリーVに火をつけました。

中庭の芝生の上でごろごろしている猫を見ながらゆっくりと葉巻を味わいました。
季節的には丁度春と夏の間、熱くのなく寒くのないこの時期は、外で葉巻を楽しむには最高の季節です。

それにしてもオリヴァセリーVという葉巻は本当に美味しい葉巻です。
ほのかな甘さと完璧ともいえるドローが、葉巻本来の持つ深い香りを最高の感覚で楽しませてくれます。

庭の椅子から宙を仰げは少し陰りのある雲と初夏を感じさせる深い蒼色の空。
南米の大地で育った最高のタバコの煙。
これらが微妙に混じりながらゆっくりと時間の中に解けていきます。

日々の忙しい仕事もいろんな思いも、この瞬間には手品のように流れ去り、自分だけに許された時間が訪れるのです。

芝刈りと葉巻

アメリカの家は日本の家に比べて数倍広く、下手すると十倍ぐらいの広さがあります。
田舎に行くほどその傾向は強く、私の住んでいるワシントン州東部もその例に漏れず、宅地販売がエーカー単位(4000平方メートル)の敷地だったりします。
中には庭で馬を数頭飼っていたりするのです。

自称都会派の私は、庭いじりなどは時間の無駄だと考え、できるだけ敷地の狭い土地を探して数年前に購入した現在の家は、それでも1300平方メートルの敷地面積があります。

庭の面積を削るため、一階部分の半分をガレージ兼スモーキングルームに変更し、そのガレージ部分(2台分)から大きなカーブを描きながら公道まで出れるように車道を作ったのですが、それでもまだかなりの面積が芝生で占められています。

週末は大抵ポートランドで過ごすので、芝を刈る暇も無く、今年までは近所の中学生に$20手渡して、一週間に一度庭の芝刈りを頼んでいたのですが、今年からは健康のために自分で芝刈りをすることにしたのです。

ホンダ製の芝刈り機を購入し早速芝刈りにかかりました。
ホンダ製の芝刈り機の性能は素晴らしく、勝手に自走してくれるので押す必要も無く、ただその芝刈り機の後ろを軽く手を当てながら歩くだけでいいのです。
これでは全く運動にはなりません。
でも葉巻を楽しむには格好のチャンスです。

先週末もOliva Oを軽くふかしながら芝刈りの時間を楽しみました。
ゴルフと葉巻は良くある取り合わせですが、芝刈りと葉巻もそれなりにいける取り合わせではないかと思います。

サウスキャロライナ

柔道関係の仕事で今日はサウスキャロライナにきています。

毎年恒例の全米柔道協会スプリングミーティングです。
昨年は確かサンディエゴだったと思います。

西海岸から東海岸まで移動すると、ほぼ丸々一日が飛行機と空港で消えてしまいます。
実際に移動している時間は6時間ぐらいなのですが、時差が3時間あるため、西海岸の都市を朝の11時ごろに出ても東海岸のホテルにチェックインするのは夜の10時頃になります。

この時点で体のほうはまだ西海岸時間ですので、丁度夜の7時、晩御飯の頃です。
ところが下手すると殆どのレストランやホテルのバーも平日の夜は10時を過ぎると閉まっており、何も食べれないということになります。

今回も全く同じで、初めての町で夜の11時すぎにビールと軽食を探して一人歩きとなりました。
運よくホテルからそう離れていないところにスポーツバーを見つけ、一息つくことができました。

アメリカの南西部はタバコ生産地でもあるため、喫煙者に対しては寛大で、このバーでもまだ室内喫煙OKでした。
残念ながら持参した葉巻はホテルのスーツケースの中。
こんな時こそシガコネで販売している葉巻ケースが手元にあればと思いました。

葉巻愛好家の分類

葉巻愛好家を分類するとしたら、色々なわけ方があると思うのですが、その一つとして季節に関係なく一つの銘柄だけをこの上なく愛用しておられる方々と、もう一つは季節によって葉巻を選んでおられる方々のグループに分けれる事もできるのではないかと思います。

葉巻の楽しみ方は個人の好みの問題なので、どうこう言うのもあまり意味が無い気もしますが、個人的には季節に合わせて葉巻を変える方が楽しみ方に深みが出るような気がします。

どの葉巻がどの季節に一番マッチしているというよりも、自分なりに色々な葉巻を試しながらその季節感を最も楽しめる一本を探していく、そんな感じです。

これは葉巻の銘柄だけでなくサイズにもいえると思うのです。

冬場暖炉の前で、ゆっくり過ぎて言った人生を考えながら葉巻に火をつけるのならば、やはり最低でもロブストサイズは欲しいところです。
でも、春先にドライブ先の展望台辺りで、新春の緑を眺める際はコロナサイズ当たりが良いのではないでしょうか。

葉巻愛好家の中には、どのようにして葉巻に火をつけるかまで大切にされる方もいらっしゃいます。
杉の葉巻専用マッチで丹念に火をつけるか、それとも最新のトーチライターでさりげなくでも確実に火をつけるか、点火の方法を変えるだけで葉巻の味わい方全体が変わってきます。