今日はアメリカ全土が喪にふけるNine Eleven(9月11日)でした。テレビもラジオもネットもすべて9-11の話題を取り上げていました。あの日、何をしていたかといった質問に人々がそれぞれ思いを込めて話しているパターンの放送が大半を占めており、私も自分なりに十年前の今日を思い出していました。

あの日はちょうど博士課程の学生として最後の年で、いつものように朝から二日酔いの頭痛を我慢しながら、コーヒーを片手にテレビに繰り返し流れる、飛行機がビルに突っ込んでいくシーンを、昔、子供の頃に見たゴジラか何かの映画のようだな、などと思いながらあまり気にもせずに見ていたのを思い出します。

その数日後、すべての飛行機の便が止まってしまった時、初めて苛立ちを感じたのです。というのは、9月半ばから末にかけ、パラオに久しぶりのダイビング旅行を計画していたからです。極めて不謹慎で身勝手な発想ですが、自分としては待ちに待ったダイビング旅行がダメになるのはテロどころではなかったのです。

幸いなるかな、一週間後には飛行機も無事に飛び始め、予定通りパラオに飛びました。多くの人々が旅行をキャンセルした為、機内はガラ空きだったのを覚えています。パラオではほとんどのダイブ客がキャンセルした為、あの有名なブルーコーナーを自分たちだけで潜ることが出来ました。普段なら十艘以上の船から数十人のダイバーが海に入るのですが、その日は私の船だけでした。

その日、ダイブの合間に船からマスクをつけて海の中を覗いてみると、サメ、ナポレオン、それに海ガメが同時に見えました。確かに魚影の濃いスポットですが、これほど多くの大物を同時に見られたのはこれが最初で最後です。

私にとってのNine Elevenは不謹慎ながら独り占めのブルーコーナーなのです。そんな事を考えながら、今日は一人で猫を相手にGロブストを二本も吸ってしまいました。