2010年 9月 の投稿一覧

葉巻の秋

秋は葉巻の似合う季節だと思います。

火をつけた瞬間から少しずつ短くなっていく葉巻はちょうど日を追うごとに短くなっていく秋の夕暮れと重なるものがあります。
夕日の中に消えていく煙に夏の思い出を重ねながら葉巻を楽しむのは、葉巻愛好家だけに与えられた貴重な時間だと思うのです。

葉巻の色もまた秋を感じさせるものがあります。
コネチカット、ハバナス、カメルーン、マデュロ、これら色々なラッパーはどれも秋の落ち葉に見つけることのできる色合いです。
考えて見れば葉巻自体が枯れたタバコの葉からできている訳ですから、落ち葉と通じるものがあるのは当然です。

私は葉巻に火をつける前に、そのラッパーの感触と色合いを確かめることにしています。
火をつけてしまえば小一時間で灰になってしまうは葉巻ですが、こうして自分の指の間に収まるまでに実に多くの自然の恵みと人々の労力が詰まっていると思うのです。
そんな葉巻の色合いと感覚を楽しむのはやはりこの秋の季節に限ると思うのです。

南カリフォルニア

先週末は久しぶりに南カリフォルニアで週末を過ごしました。
到着したのはロサンジェルス空港ではなく、50マイルほど南に在るサンタアナ空港でした。
サンタアナ空港はまたの名をジョンウェイン空港といいます。

空港のロビーには、ウエスタンスタイルで腰の銃に手をかけようとしているジョンウェインの銅像が建っています。
その銅像を見ていると、昔日本のテレビで放送されていた洋画劇場でよく見た西部劇が思い出されます。
あの頃考えていたテレビの中のアメリカと、今30年以上住んでいるアメリカの違いに思わず意味も無く戸惑ってしまいました。

その日はハリウッドのハードロックカフェでお決まりのハリケーングラスを購入した後、フリーウェイを使わずにサンタモニカ通りを使ってビバリーヒルズ経由でサンタモニカの海岸線を目指しました。
初日の晩はベニスビーチ(シュワルツネイカーがウェイトトレーニングに励んだマッスルビーチもこの近くです)の隣にある、マリーナデルレイ港内のホテルに泊まりました。

夕食を食べた後、ホテルに戻るとパトカーが数台ホテルの前に止まっており、なんとも物々しい風景が広がっていました。
野次馬根性一杯の私は、ポリスが数人集まっている一階の部屋のベランダ辺りまでさりげなく歩いていき、部屋の中を覗きました。
そこには二人の男性が床に手錠をかけられてころがされおり、連れと思われる女性がポリスにいろいろ質問されていました。
数分後には女性も含め皆さん手錠をかけられ連行されたので、私の思うところ多分、麻薬の取引現場か何かだったのでしょう。

日頃田舎に住んでいる私には都会でのこうした日常がとても刺激的に感じられた一日でした。

チャイナタウン

日本の横浜や神戸にチャイナタウン(中華街)がある様に、アメリカの大きな町には決まってチャイナタウンが存在します。

サンフランシスコの中華街のように、観光客に溢れているチャイナタウンは全体からすれば稀で、チャイナタウンはあまり治安の良くない都会のはずれにある場合が殆どです。

ホノルルのチャイナタウンもその例に漏れず、麻薬もしくはアルコール中毒者、売春婦、ホームレスが溢れていました。
ホノルルのチャイナタウンは、当時住んでいたコンドミニアムから歩いて数分の距離にあったので、買い物や安い外食によく利用しました。

ハワイ時代はコンドミニアムの入り口で葉巻に火をつけて、そこから真っ直ぐ海に向かって歩いて、アロハタワー経由でチャイナタウンを回って家に帰るのが夕方の葉巻散歩の基本でした。

アロハタワーは観光客で結構にぎわっていても、チャイナタウンの始まるあたりからは人数もまばらになり、寂れたバーから漏れてくる明かりが怪しくそのあたりを照らしていました。
その人生の終わりを待つだけの雰囲気が漂うバーには一度も足を踏み入れることはありませんでしたが、今でもハワイ時代に良く吸っていたLa Gloria Cubanaに火をつけると思い出します。
ちなみにそのバーの名前はParadise Lost(失われた楽園)でした。