2010年 7月 の投稿一覧

夏休み

七月半ばといえば日本では夏休みの始まりの季節だと思います。
私は中学校まで日本の学校教育を受けていたので、約一ヶ月の夏休みを楽しみにしていたのを覚えています。

一つ嫌いだったのが夏休みの宿題です。
どう考えても休み中に宿題をすることは、休みというコンセプトに反すると子供ながらに考えていたのを思い出します。
確か小学校 高学年の時だったと思いますが、どうせ宿題はしないのだからと思い、学校からの帰り道、先生方からいただいた宿題のプリントをすべて川に捨てました。

その夏は机の上に意味も無く積もった宿題の山を見ることなく、楽しく蝉捕りや小魚捕りに熱中できたのを覚えています。
一日中、山や川で遊べばいろんなことを学ぶものです。
川の流れのどの辺りが一番早いか、砂と小石の分布、蝉によってもとまる高さが違うこと、簡単に言えば一ヶ月間の校外学習のようなものです。
そのうえ山の中を走ったり、川岸の崖から飛び降りたりしてましたから、運動神経の成長にも一役買っていたと思います。

今年の夏休みはワシントン大学で、井戸水中の細菌に関する研究をしているわけですが、それも幼年期に川の水をビンに入れて太陽にすかして観察していた自分の延長だと思うのです。
一つだけ違うのは、幼年期の自分には思い出という観念は無かったと思います。
すべては今日であり、今目前にあるものがすべてだったと思います。
数十年後、今の自分には現実と過ぎ去った思い出、あるいは経験という二つの次元の世界がつながるのです。

葉巻を楽しむ時間は、この過去と現実を照らし合わせて人生を振り返る時間でもあるのです。

華氏104度での葉巻

この夏はワシントン大学の研究所で仕事をしている関係で、週末だけワシントン東部にある自宅に帰るというパターンを繰り返しています。

今週末、家に帰ると気温が華氏104度(摂氏40度)という状態でした。
ワシントン大学のあるシアトルは華氏80度(摂氏26.6度)ぐらいでしたから、その温度変化はかなりのもでした。

シアトルから家までは時速75マイルほどでクルーズしても3時間半ほどかかるので、家に着くなり当然葉巻に火をつけたくなるものです。
こんな熱い状態では外で葉巻を楽しむのも気が引けるのですが、幸いなことにワシントン州東部は乾燥しており(丁度西部劇に出てくるような環境です)、気温が高くても湿度が低いため日陰に入れば何とかしのげるのです。

さてこの高温の中でも楽しめる葉巻はどれだろう、とヒュミドールの扉越しに(自宅にはキャビネットサイズのヒュミドールを設置しています)色々吟味した結果、選んだのはペルドモでした。
この葉巻は本当に素晴らしく、どんな環境にもうまく溶け込みます。
乾燥した熱い空気中に流れていく葉巻の煙は、不思議なことに周りの温度を少し下げてくれるような感じさえするのです。

アラスカで吸う葉巻

昨日からアラスカのフェアーバンクスに学会関係の仕事できています。
フェアーバンクスはアンカレッジからさらに内陸のほうに150マイルほど北上した地点にあります。

何でまたこんな田舎町で学会を開くのかと思えば、丁度この町にアラスカ大学があるからでした。
アラスカ大学の先生たちはいつも米国本土まで出張という形で学会にこられるので、二年に一度はアラスカで学会をやるらしいのです。

本土の連中で釣りやハンティングの好きな方々は、このアラスカでの学会を楽しみにしているそうですが、基本的に珊瑚礁とココナツ、そしてコバルトブルーの海を愛する私としては、万年雪のとツンドラで成り立っているアラスカには殆ど興味も無く、自分から来ることはまず無いと思います。

幸いなとこに、冬は零下何十度まで落ちるといわれている気温も、夏のこの時期は少し肌寒いぐらいで、外でも半そでで過ごせます。
冬場はオーロラが見えることで有名なこの町ですが、夏場の今は夜の12時半過ぎまで日が沈みません(日が沈んでもまだ明るい)。
夜明けはなんと朝の3時頃です。
早い話が一日中外は明るいのです。
昨日も明るい夜の10時頃にホテルのロビー近くにあるスモーキングエリアで一人でCAOを吸っていました。

11時過ぎにホテルのバーで寝酒をかねて、地ビールであるAlaskan Amberを3杯ほどジョッキで飲み干しました。
それでも外は真昼のように明るく全く寝る気になりません。
もう一本葉巻に火をつけようかとも考えましたが、持参したヒュミドールにはあと4本しか葉巻は残っていません。
初日に2本消費してしまうと、後残り4日間のうち一日は葉巻無しの夜を迎えなければいけません。
この何も無いフェアーバンクスで葉巻の無い夜は耐え難いと思われます。
皆さんもしもアラスカに何かの関係でどうしても行かなければ行けないときは、旅行日数X2の葉巻(一日2本の計算)を持参されることをお勧めします。

アメリカの寿司

アメリカに旅行した方は、カリフォルニアロールとかスパイシーツナなどという寿司を食べたことがあると思います。
最近では成田空港内のすし屋など、外国人客の比較的多い店ではメニューに載せている店もあるので、日本でも食べられるかもしれません。

今では“Sushi”という単語はすでに英語になっており、アメリカの都会では普通に見られます。
私が始めてアメリカに留学で来た頃は、”Sushi” はアメリカ人の中ではゲテモノ食いの一つと見られていた時代で、寿司屋どころか日本食レストランを探すのが大変な時代でした。
30年後の今日は、“Sushi” を食べることはアメリカ人の中ではトレンディーなイケテル生活スタイルとされています。

アメリカでは、寿司屋の事を寿司バーといいます。
最近流行りの寿司バーでは軽快なテンポの音楽が流れ、金髪のスタイル抜群の女性客(寿司はカロリーが低いので体系を気にする若い女性に人気がある)がカウンター越しに寿司をオーダーしている時代です。

日本の寿司がこうして海外で認められることはうれしいことですが、”Sushi”と寿司は別な食べ物です。
日本の寿司はネタと米のよさがすべてです。
“Sushi”には残念ながらネタのよさも米のこだわりもありません。
カリフォルニアロール(かに、きゅうり、アボカド,とびっこを使った巻き寿司、一説では70年後期にサンタモニカにあった”HIRO Sushi”の板前が作り出したとされている)は、けしてまずいわけではありませんが、日本の寿司からはかなり離れており、別の料理と考えたほうが美味しく食べれます。

ちなみにアメリカにはキャタピラロールという寿司もあります。
キャタピラとは日本語の芋虫(蝶の幼虫)です。
なぜキャタピラロールというかといえば、巻き寿司の外側に薄く切ったアボカドを巻いているからです。
アボカドの緑が丁度芋虫に見えるわけです。
アメリカで数え切れない程の寿司バーに行きましたが、葉巻の吸える寿司バーはまだ一度も見たことがありません。
もし私がアメリカで寿司バーをひらいたらシガーロールという”Sushi”を出そうと思います。
巻き寿司の外巻きにごぼうを使って茶色に仕上げるのです。